News Eye
08年シーズン総括
<2>『シーズン・ワースト・アワード』結果発表!!
2008.12.18

 12月13日、お台場フジテレビ、深夜25時。ようやく「2008年F1総集編」の仕事が終了、正面玄関で深夜タクシー配車を待つ。去年はハイヤーでの送迎だったので車内で読書灯をつけながら、首都高を走る車内でも構成表などをチェックできた。わざわざハイヤーはいまどき贅沢だが寸秒を惜しむこの仕事では移動時間中も貴重だ。揺れるタクシーのリアシートでメモしたり、データチェックしたり、自分は大学時代に助手席でラリーのナビゲーターをしていたから車酔いはしない(皆さんタクシーに乗ったときもちゃんとシートベルトを締めましょう)。

 車両係の人が気をきかせてくれて、相乗りではなく、ひとりにしてくれた。タレントさんの“出入り待ち”をするおっかけファンもさすがにもういない。ふーっと思わず深いため息が出た。
翌14日、25時から無事番組はオンエアされた。完成までにのべ何10時間、お台場フジテレビに通ったのだろう、いくつ局弁当を頂いたのだろう、いろいろあったが何とか今年も出来上がったという感じ。
 さて、2008年総括パート2として、どこにも発表していない「シーズン・ワースト・アワード」を謹んで発表しよう。“ベスト賞”のほうは各誌メディアで書いたのでここでは本音でいく。

●ワーストレース ヨーロッパGP(バレンシア)
熱中症の急病人が出て、レース中、救急車が走り回る騒ぎに。ほとんどすべてが仮設スタンドで、これがよく見えなかったと大クレーム。昨年の富士にかなり似た状況だったと聞いている。

●ワーストタクティクス ホンダ
セーフティーカーが出たら即入れるかどうか判断しなくてはいけないのに後手に回り、スーパーアグリが昨年やったようにとっさに別スペックタイヤ使用義務をこなそうとすれば、そのタイミングを逃すなど、R・ブラウンさんは一体ピットウオールにいて何を指示していたのだろう。

●ワーストピットクルー フェラーリ
TVで皆さんが見たとおりだ。あまりにもケアレスミスが多かった。

●ワーストモーターホーム マクラーレン
「お前ここに何しに来た」という感じ。敷居が高すぎて近寄りがたく、重要な記者会見があるときしか行かなかった。

●ワーストプレスルーム イギリスGP
冷房を効かせすぎで、皆厚着しながらそれでも震えながら仕事していた。風邪を引かずに済んでよかった。夜、仕事を終えて帰るとき、プレス駐車場に戻る道がシャットアウトされていたので一体どうやって帰るのか、聞いたら真っ暗なトンネルまで大回りして行けの一言。さすがに腹が立ち、こうだからシルバーストーンはなくなるんだといったら、「ドニントンも同じだぜ」とガードマン。あきれていたら、気のいい仲間がオレの車にのって行けばと送ってくれた。伝統が泣いている。

●ワーストファミリー ハミルトン一家
すっかりTVカメラ慣れした父と弟、家族対抗歌合戦ではあるまいし、マッサの一家を妙に意識。他のプロスポーツでこれほど家族がしゃしゃり出てくることはない。

●ワーストカラーリング ホンダ
地球色に塗られたモーターホームをよくよく見ると、世界地図が描かれているのになぜか日本列島だけが省かれていて存在しない。すごいですねー。そこまでジャパニーズを嫌うか某フライ氏は。日本からたまに現場に見える某重役に言っても「あそうなの?」…。

●ワーストマシン ホンダ
ストレートスピードが20キロは遅く、コーナー入り口はブレーキングスタビリティーがなく、出口ではトラクションのトの字もない。すごいマシンを作ったものだ。ホンダF1史上まれに見る“駄作車”、悲しいがあきれはてて言葉を失った。フォースインディアは俄然やる気になった。

●ワーストパフォーマンス L・ハミルトン
彼は心にもないことを言うとき、はっきりと見て分かる。目が泳ぐのだ。そういう態度で話すインタビューは話半分で受け取ったほうがいい。ある意味わかりやすいハミルトン君ではあるが。いつもええカッコしーではいられない。

●ワーストドライバー R・バリチェロ
もう速いか遅いかということではなく、フリー走行などではっきりと手を抜くようになった。これはインラップだなと見ていてすぐわかる。そんなに省エネ運転に徹したいのなら、ここにいなければいいのに。昔から彼を見てきた一人として、あまりの落差に驚く。バリチェロがこうだとJ・バトンにまで“病気”が転移して、彼も全く往年の美しいコーナリングを忘れたみたい。コースサイドで見ればだれでもこういう雰囲気が見て取れる。テレメトリーデータなどのシステムすら不要、一目で分かる。それでも月給は1億以上、S・ベッテルのウン倍も彼らに払っていた本社は、「経営資源の効率的な再配分が必要との認識から(公式リリース原文ママ)」撤退に至った。この文言は全く正しい。

 堂々、ホンダ・レーシングF1チームが各賞を総なめした2008年、今年限りで彼らはフィールドを去った。去るものは追わず、F1界全体は真剣にコストセービングに取り組みながら新時代に入ろうとしている。経済情勢は厳しくとも、このスポーツに意義を認めるものはとどまり、グランプリ・レーシングを続けようとしているところだ。
まるで“マフィア”にのっとられたかのような結末で、旧ホンダ・チームは新スポンサーとともに名称を変えて09年、いままでの居場所にいるのか、それは現時点では分からない。しかしもしそうなったとき、栄光あるホンダF1レーシングは地に堕ちたことになる。そうしてしまった責任はあまりに重い。

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